なぜマーケティングと営業を切り分ける必要があるのか

      2016/11/10

日本の会社にはマーケティング部が存在しない会社も少なく無いと思います(名前はマーケティング部でも実態は営業部だったり)。

そこで、今回は、マーケティングをセールスと分けて考える必要がある理由について考えてみましょう。

セールスはお客様の「声」が第一

セールスにとってお客様の声はとても大切です。現場のお客様の要望にどう答えるかを第一に考えます。なぜならセールスにとっての一番の目的は自分の売上を上げることだからです。

そのためお客様が望むこと(売上につながりそうなこと)には何としてでも応えたいと思う傾向にあります(セールスとは、お客様の要望に答えようという物理的かつ心理的な力が作用する立場です)。

こういった立場上、お客様からの要望は「緊急を要する案件」になりがちです。

マーケティングは顧客の「声」にすぐに答えようとしない

一方、マーケティングは顧客の「声」は参考にはするものの、その要望全てを解決しようとはしません。

なぜならマーケティングの目的は目の前の「売上」ではなく、数年先の「売上に繋がる仕組み」を作ることだからです。

なので、いくらお客様から「これを改善して欲しい」「これを説明してくれ」と要望があっても、それが数年先の目指すべき姿から外れていたら、そこには力を注がないでしょう。

こういったマーケティングという立場上、お客様の声は貴重な「情報」であって、解決を要する「緊急案件」にはなりません。

顧客は一人一人違う

当たり前ですが、顧客は一人ひとり性格も意見も違います。よって全ての人のニーズを満たすことは不可能です。

セールスにはこういった多様なニーズに対応するフレキシビリティが必要です。そうして多様なニーズを満たし、担当顧客における売上を上げていくのです。

一方、マーケティングでは、言い方は少し乱暴ですが、細かい現場の意見は無視して、方針を定める必要があります。

顧客は本当に欲しいものがわかっていない

大抵の場合、顧客は本当にほしいものはわかっていません。自動車を世に広めたフォードは、もし顧客の声を参考にしていたら「顧客は早く移動できる馬が欲しい」と言っていたと言います。

また、スティーブ・ジョブズは「人々は実物を見るまでiPhoneは想像できなかった」と言っています。

顧客は往々にして「ドリルが欲しい。もっと良く掘れるように改良してくれ」と言います。しかし、本当に欲しいものはドリルではなく「穴」なのです。

顧客の「声」ばかりに注目すると「本当に欲しいもの」を見失いがちです。この本当に欲しいものを見抜く力を「insight (洞察力)」といいます。

セールスは短期的、マーケティングは長期的なニーズにフォーカスする

企業は、現状の利益を確保して、将来的な成長に繋げたいと考えています。なので、企業には短期的な売上に貢献してくれるセールス部隊と長期的な売上に貢献してくれるマーケティング部隊の両方が必要なのです。

顧客は「目の前の問題を解決したい」と思っています(「十年後こうなるから、こうしてほしい」と考える顧客はまれでしょう)。

よって顧客の短期的な声ばかりに耳を傾けると短期的な利益しか追求できない企業となってしまいます。よって現場にはセールスがいて、現場からは離れた場所にマーケッターがいる。

顧客の声は、長期的な利益の視点で客観的に分析する必要があるのです。マーケティングはコストを使いすぐには売上に貢献しません。マーケティングはコストセンターといわれますが、その成果が直ぐに現れるものは多くはないのです。

まとめ

本記事は、決してセールスを批判しているわけではなく、「セールスの哲学とマーケティングの哲学は異なる」というのが言いたいことです。

セールスは自分の売上を上げるために、心理学や製品の専門知識を磨き、ツールとしてマーケティングが作った資料(マーケティングマテリアル)を使用します。

マーケティングは売上の仕組みを作るために、広告やメディアを活用し、ツールの一つとしてセールスを利用します。

目の前の売上を上げてくれるセールスと、未来の売上構造を作るマーケティングが協力し、上手く機能する組織が強い組織なのだと思います。

おすすめ記事

1
2016年買って良かったモノを紹介します!

2016年もあとわずか。毎年恒例の買って良かったモノシリーズ、2016年版を紹介 ...

2
英語ができなかった僕がバイリンガルになるまでの5つの英語上達プロセス

英語ができなかった僕がバイリンガルと呼ばれるようになるまでに経験した過程を5つに分けて紹介します。

 - セールス・マーケティング