利益を得るのは損失を出すより難しいことを認識した上でどう利益を得るか考える

   

利益を得るのは損失を出すより難しいです。

そのことを認識するのにちょうど良い問題を2つ紹介します。

20%の利益と20%の損失

1つ目の問題です。

あなたは1000円の株式を購入しました。この株について2つのシナリオがあります。

  1. 1000円の株価が20%下がってから、その後20%上がる
  2. 1000円の株価が20%上がってから、その後20%下がる

さて、株価がプラスになったのはどちらでしょう?

答え: 「どちらもマイナスになる」
ちょっと衝撃的ですよね。
でもこれは、計算してみれば簡単に求められることです。

1のケース「100万円 × 0.8 × 1.2 = 96万円」
2のケース「100万円 × 1.2 × 0.8 = 96万円」

このように多くの人は、利益と損失の割合が同じであれば儲かるまたは損する絶対額も同じだと錯覚します。
ビジネスパーソンであれば、利益と損失の割合が同じだと結局損をする ということを肝に銘じておきましょう。

確実に得られる100万円と半分の確率で得られる200万円

続いて2つ目の問題です。こちらはさらに2つの質問から成り立ちます。

質問1: 「あなたの目の前に、以下の二つの選択肢が提示されました。あなたは、どちらを選びますか?」

  1. 100万円が無条件で手に入る。
  2. コインを投げ、表が出たら200万円が手に入るが、裏が出たら何も手に入らない。

多くの人は選択肢1を選ぶでしょう。つまりリスク回避的だということです。
では、次の質問。
質問2:「あなたは200万円の負債を抱えているものとして、以下の選択肢が与えられました。あなたはどちらを選びますか?」

  1. 無条件で負債が100万円減額され、負債総額が100万円となる。
  2. コインを投げ、表が出たら支払いが全額免除されるが、裏が出たら負債総額は変わらない。

この場合、多くの人は選択肢2を選びます。つまりリスク選好的ということです。
質問1と2で期待値はどちらも100万円なのに、多くの人は損失を取り戻すためにはリスク選好的になり利益に対してはリスク回避的になります(確実性を好みます)。

これは、行動経済学におけるプロスペクト理論と呼ばれるものです。詳細な説明は省きますが、人間のこういった思考性向からも僕たちは利益と損失の関係を合理的に判断できないという事実があります。

なぜこうなるのかという点については進化論で説明することが可能です。

石器時代の人類にとっての利益は食料でした。ただ、過剰に食料を得ても、余分な食料は腐らせてしまうだけなので、食料(利益)においては少量でも確実に得られる方を人類は選択してきました。

反対に、石器時代の人類にとっての損失とは「命を落とすこと」でした。こちらはリスクをとってでも回避する必要があるので損失に対してはリスク選好的になりました。

プロスペクト理論で説明される人類のこういった思考性向は遺伝子レベルで組み込まれているので抗うことはとても困難なのです。

さいごに

多くのビジネスパーソンは利益を上げようと奮闘していますが、まずは、利益と損失の間に潜む僕たち誤った認識に気づき対処していく必要があります。

進化論的な説明は下記の本を参考にしました。

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